ファクタリング（Ｆａｃｔｏｒｉｎｇ）とは、企業が未回収の売掛金（債権）を金融機関や専門業者（ファクター）に売却することで、早くキャッシュを手に入れることができる金融取引の一つです。企業経営における重要な要素にキャッシュフローがあります。キャッシュフローとは、お金の出入りのことです。通常、売り上げは即時に集金できるわけではなく、請求書を発行したうえで、例えば月末などの期日まで待ってようやくお金を受け取ることができます。
また業種によっては、完成時払いなどがあり、支払いまでの期間が長期間にわたる場合もあります。手元にキャッシュが入ってこない間も、仕入れや人件費などの経費は発生することから、お金のやりくりに苦労してしまうケースがあります。この問題を解消できるのがファクタリングです。企業は売掛金をファクターに売却します。
これにより、債権回収の権利がファクターに移ると同時に、企業側には現金が入ります。ただし、ファクタリングを利用すると手数料が差し引かれます。受け取り期日までの日数が長いほど、手数料の割合が高くなります。一般的には支払いまで30日以内の債券で0.5～4.0％ほどの手数料がかかります。
ファクタリングとは、企業の安定経営に欠かせない現金のやりくりを円滑にすることができる取引方法です。また、債権回収リスクをファクターが負担するため、企業は貸し倒れのリスクから解放されると同時に請求書の管理や回収業務に時間や労力を割く必要がなくなります。これも大きなメリットと言えます。