ファクタリングに似ているものの一つにでんさいがありますが、ここではファクタリングとは何を意味するものなのか、でんさいとの違いについて解説します。でんさいとファクタリングとは、いずれも債権譲渡の目的で使用する仕組みといった共通点があります。ただ、これらは多くの相違点がありますので、使い方を間違えてしまうと損をしてしまうこともあるため注意が必要です。両者の違いは、仕組み・ネットワーク・保証といった３つが挙げられます。
でんさいは、債権や債務に関する取引を電子化させたもので取引をより円滑に行えるような仕組、ファクタリングは業者を介して保有している売掛債権を早期に現金化するための仕組みです。でんさいは、特定企業が運営しているサービスで全国銀行協会が100％の出資により設立されたもの、現在では1、300を超える金融機関が参加しているといいます。このことから、広く金融機関の決済システムとして利用されている決済ネットワークであることが分かるのではないでしょうか。売掛金の譲渡においては、債権の早期現金化の仕組みになりますので、共通のネットワークは存在しません。
あくまでも取引を行う業者ごとにいろいろな契約方法があるのが特徴です。でんさいを使うと、債権を譲渡する側は取引先から支払いが行われないとき、取引先に代わり債務を保証しなければなりません。これは、保証債権とよばれるもので、貸し倒れのリスクは移転させることはできないといった意味です。これに対してファクタリングは債権を業者に譲渡した後に債務を保証する必要はないのですが、その分の手数料を業者に支払うことになるので貸し倒れのリスクを移転できます。